建築家 柳澤孝彦氏の講演会『風土と建築』
『風土と建築』〜上田市交流文化施設によせて〜 と題して、2013年10月26日に上田市で開催されました。会場には1/50の巨大な模型を展示。冒頭でいきなり「宣言をします。」「最良の建築をつくる。そして経済的価値では計れない価値を見出す。」
続いて現在工事中の建築の設計や施工のプロセスが紹介されました。上田の歴史・自然・文化を背景に、高さをおさえ大地に根ざした環境デザイン、そして直径70mの円形プロムナードによる長い動線の意図することなど興味深いお話が続きました。
いくつかのキーワードが気になりメモをとってありましたので転記します。「建物100%、外構100%、計200%」これではじめていい環境になる。「平面は足の裏」平面に機能をバランスさせうまくいけば立ち上がりはスムーズにいく。「ランダム性の役割は大きい」音・ファッション・髪型にも通じる考え方である。「公共のマナーは必要」文化施設はそこで空間や伝統を感じながら学ぶ場でもありたい。「建築は人々の背景」だから抑制をきかせてデザインをする。「1/50の模型は自分が入り込める」
その後、同会場で景観シンポジウム。市民や学生からも前向きな意見や質問が寄せられました。建築家としての思想的な話が多く、その具体的な表現としての設計手法が紹介された講演でした。日頃モヤモヤしていた想いが晴れたような気持ちになり帰りのクルマを走らせました。
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