光と風をデザインする【窓編】 2-10
林隆のコラム
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建築物に設けられる採光・通風・換気、そして人や物の出入りのための「窓・戸・出入り口など」を「開口部」と呼んでいます。
天井に設けられる窓が天窓(トップライト)、床面に接する比較的背の低い窓が地窓です。
「窓をつくる」そして「壁をつくる」
建築の平面計画をしていく初期の段階では、壁も開口部も「1本の線」として表現し、ゾーニングしていきます。空間の大まかな構成ができてくると、その次の段階として開口部の位置や形状の検討に入っていきます。
光や風を導き入れるための機能性だけでなく、空間をデザインしていく上で窓のあり方はとても重要になります。内観・外観の両方の視点から「壁と開口部のバランス」には特に気を使います。
「窓をつくる」そして「壁をつくる」イメージで設計が進んでいきます。
窓は光を演出する
窓は光を演出します。夕方には灯りがもれ、庭や通りや街と優しくつながります。
天窓から降り注ぐ光、地窓から地を這うように入る光は、空間に陰影を生み出し、とても味わいがあります。
大きな窓は内と外を一体化させ、小さな窓は風景を切り取ります。
光と風をデザインする
窓のデザインをする上で判断していく要素は多岐にわたります。
素材(アルミ製・樹脂製・木製)、形状や開閉方法、断熱性能(サッシ・ガラス)、ガラスの種別(透明・くもり)、網戸(有無・開閉方法)、お値段、防犯性、ガラス面の掃除方法、木製の場合は塗装のメンテナンス方法、室内側の処理(カーテン・ロールスクリーン・ブラインド・障子など)など。
さらには、建築のディティール(枠廻りの造作、カーテンボックス、庇など)にまで発展していきます。
住宅や別荘の間取りを考えていく上で、窓についてはいろいろな視点から検討を重ねデザインしていくことをおすすめします。窓の様々なデザインについて、設計実例をご紹介していますのでどうぞご覧ください。
林建築設計室・林 隆