暮らしの中のガレージのあり方【ガレージ編】2-4
林隆のコラム
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地方での生活においては毎日の通勤にクルマを使うことが多いため、家族の中でひとり1台所有しているケースも少なくありません。住宅や別荘の設計をする段階で、クルマをガレージの中に入れる、または軒下に置くことを希望されることが多くあります。
目的から考える
その目的は様々です。
・玄関からクルマまで雨に濡れずに移動したい。
・冬の朝は霜がおりてフロントガラスが凍るのでそれを避けたい。
・急な大雪の際に掘り出す手間を省きたい。
・クルマの置き場所と建築を統一感のあるデザインにしたい。
・外物置や自転車置場とセットで考えたい。
・クルマの有無によって在宅か留守かを知られたくない。
・趣味のクルマを大切に保管したい。(室内から見たい、メンテナンスをしたい)
ビルトイン・多用途・軒下・別棟
構造的には次のようなタイプに大きく分類されます。
①ビルトインタイプ(ドア・シャッター・格子戸付き、または解放)
②多用途タイプ(玄関・アプローチ・外物置・自転車置場などの用途と一体化)
③軒下タイプ(屋根と最小限の壁や柱で構成)
④別棟タイプ(住宅本体と離れる)
それぞれに特徴がありますので、建築(住宅本体)、クルマの置き場所(ガレージ)、外部空間(庭)を同等に考えて、敷地全体の総合的な配置計画をされることをお薦めします。
暮らしの中のガレージのあり方
将来の家族構成も想定しながら、何台分の置き場所を確保しておくか、その内の何台を屋根の下に置くか、当面は青空駐車にしておいて将来ガレージを造れるスペースを確保しておくなど、設計の初期段階では様々な可能性が考えられます。
日々の暮らしの中でのクルマの置き方をイメージしながら、その優先順位、敷地条件や道路からのアクセス方法、そして費用配分についても検討し、最善の駐車スペースのあり方を見出していくことがとても大切かと思います。
林建築設計室・林 隆