木曽谷を一望できる家
住宅
木曽
2003年
書斎
北側に隣接するご両親の家、緩やかに傾斜する地盤、南側に大きく開ける眺望、山並みを背景にした恵まれた自然。昨年の春はじめて敷地を見た時、敷地の置かれている周辺環境と建築とを、いかにして融合できるかを考えた。自然に背を向けるのでなく溶け込むような外観、そして周囲の静かで澄んだ空気と、室内が一体となるような大らかな開放感を目指した。
家の中心に螺旋階段を置き、2階の床は丸く切り取られている。その廻りには居間、食堂、台所、畳コーナー、ワークスペース。2階に上がった瞬間、目の前には大きなガラス越しに大自然が現われる。春の新緑、風が涼しい夏の夜、秋の紅葉、極寒の雪景色、季節の移ろいを感じながら2階には人が集い、いつも賑やかな場所であってほしい。
壁は、黒の左官塗り壁。はじめて挑戦したこの色は板金の黒とはまた違う優しい雰囲気があり、自然の中に溶け込んでいる。