対比する家
住宅
安曇野市
2006年
薪ストーブ, 吹抜け
森の中に建つこの家は、相反する様々な要素をどのように解釈して建築として構成していくかがテーマだった。
内と外、無機と有機、光と影、開放と閉鎖、面と線、白と黒、ガラスと壁、家族と個・・・・・が対比する。
プラン・ディテール・材料・色彩が潔く同化したり、激しくぶつかり合ったりしている。その結果、双方のもつ特性を強く認識することができ、場の転換によるメリハリのある性格づけができた。そして、シンプルで一体的な箱型空間の中に、あえて領域区分の不明瞭な”場所”を創っている。
外観の表と裏。外壁の黒(三面)と白(一面)。明るい空間(白色の主要部)と暗い空間(バーコーナーや寝室)。大勢が集まる場とひとりになる場。視線の抜ける場所とこもる場所。潜った場所(バーコーナー)と浮いた場所(予備室)。一間モジュールで繰り返す開口部と大きな壁。白い物(キッチンや収納家具)と黒い物(オリジナル薪ストーブやテーブル)。室内(無機質な床タイル)と、屋外(自然のまま)。それらは皆、対比しながら向き合っている。