回廊の家

ふたつの敷地全体の通じての、二棟の住宅の位置関係、庭や駐車スペースのあり方がとても重要でした。検討を重ねた結果、共有する中庭を設け、その中庭に面して両世帯の玄関へと続く長いアプローチがあります。
そして中庭を囲むように”回廊”が巡っています。回廊を歩いて両世帯を行き来することができ、そこは縁側のようなイメージでちょっと腰掛けて庭と向き合うこともでき四季を通じて楽しめそうです。またお隣の敷地からの視線をカットする役割もあります。
二棟共通の考え方として、建物全体が深い軒下空間をもっています。親世帯は平屋建て、家の中心に水廻りゾーンを据えてその両サイドに居間ゾーンと寝室ゾーンをふり分けるという明快なゾーニング、３つのゾーンはすべて南面し合理的で最短な動線が実現できました。
子世帯は２階建てで、家族用と来客用の２つの玄関があり遊び心のある空間構成になっています。
両世帯は回廊によって結ばれ、庭・玄関アプローチ・駐車スペース・外物置などの外部空間を共有することにより、緩やかにつながっていてます。そして日々の基本的なプライバシーはしっかりと守られているます。別棟でありながら平面的に展開する二世帯住宅が竣工しました。