里山の庵 (いおり)[別荘]
別荘
筑北村
2018年
吹抜け, 軒下空間
日本建築家協会(JIA)優秀建築選2019
設計から竣工までのプロセスをブログでご紹介しています。
④ 竣工 ブログへ
③ 上棟 ブログへ
② 着工 ブログへ
① 設計完了 ブログへ
静かな里山に建つ別荘の建て替え計画です。
周辺には民家が点在する風景の中で、目立たぬようにこの地に溶け込むように、そして小さく質素に、ひっそりと佇む庵(いおり)のようなイメージの建築を目指そうと建主さんと話し合いを重ねました。
屋根の形状に大きな特徴があり、「変形方形屋根」と呼んでいます。一般的な方形屋根を架ける場合には、四方の隅棟は屋根の中央の一つの頂点に集まりますが、平面形状が長方形であることと、その頂部を中央ではなく偏心させていることにより、この屋根形状が生まれました。四つの屋根面の内一面だけ勾配が異なっています。
屋根の形と内部空間は連動しています。壁と天井が接する部分は局面にしてその境界を曖昧にすることにより、優しい空間に包まれているように感じます。吹き抜けを介して「見上げる視線」の奥、そして「動線」の最終地点となる場所に象徴的な開口部を設け、そこから射し込む光は時間帯によって動き、天候によって陰影が生まれ、一階の壁や天井に様々な表情を見せてくれます。その重要な役割を果たしている窓の外の屋根の上には、北アルプスの山並みを望むことができる展望台があります。