時間の流れと共に味わいの増す佇まい(仕事術1−11)
こんばんは。
林建築設計室の林です。
今日は、明日の施主さんとの打合せ用資料の準備をし、
夕方からの工務店さんとの打合せを終えて、このブログを書いています。
毎週恒例「林 隆の連載コラム」をご紹介させていただきます。
11回目の今回は、
「内と外を結ぶ、家と街を結ぶ、家族の絆を結ぶ、今と将来を結ぶ。」
ということについて考えた家づくりの物語です。
時間の流れと共に味わいの増す佇まい(仕事術1−11)
https://www.h-a.jp/gallery/gallery_5884.html
「小さな家がいい」
「中庭はどうだろう」
「ガレージがほしい」
「ひとりになれる場があるといいね」
そんなことを話し合いながら、
そして市街地の厳しい立地条件の解決方法を探りながら設計が始まりました。
内と外を緩やかに仕切る
敷地の南と西には2階建て隣家が接近していること、
また変形狭小敷地であることを克服するために、
東からの光を積極的に取り込むことを手がかりにして、
①2階建て部分、②平屋部分、③ガレージの3つのゾーンが中庭を囲む手法をとりました。
あえて南には背を向け、中庭とガレージには格子戸を設けて、内と外を緩やかに仕切っています。
それぞれの「ひとりになれる場」
居間や個室の広さは最小限にして、それらの中間領域としての
「ひとりになれる場」(父の居場所、母の居場所、子の居場所)を中庭に面して配置。
その中庭を囲む主動線は、
階層が深くなるに従ってプライバシーが保たれる空間へと移行していきます。
将来を見据え、暮らし方・年齢・家族構成の変化に応じて、
各居場所の使い方には自由度をもたせました。
時間の流れと共に味わいの増す佇まい
このお家は、「結ぶ」というキーワードをもとに空間が組み立てられています。
内と外を結ぶ、家と街を結ぶ、家族の絆を結ぶ、今と将来を結ぶ。
外壁の板張りは、この地ですでに何年も存在しているかのように見え、
そして時間の流れと共に味わいの増す佇まいとして生き続けることへの想いを込めています。
林建築設計室・林 隆
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