階段は家全体の動線の要【階段編】(仕事術2-2)
こんにちは。
林建築設計室の林です。
いつもブログにアクセスしていただきまして、ありがとうございます。
あっという間に3月もあと2日ですね。
「林 隆の連載コラム」をご紹介させていただきます。
14回目の今回は「階段編」です。
とっても奥が深い階段について、日頃考えていることをまとめてみました。
階段は家全体の動線の要【階段編】(仕事術2−2)
https://www.h-a.jp/gallery/gallery_5940.html (設計実例 24軒の紹介をしています)
住宅や別荘の階段。階段のもつ役割はとても重要で、
建築の設計をする上では機能とデザインのふたつの視点から検討を重ねていくことになります。
機能性を考える上で、上下階の移動は平面プランの中での動線の要とも言えます。
日々の暮らしの中で、朝起きてから就寝まで間に家族皆がどのように使うのか、
また衣類・洗濯物・食料品・ゴミなどの移動がどのようになるのか、
いろいろな場面を想定しながら合理的な場所に階段を配置することで、
シンプルで明快な動線計画が実現できます。
開放型と閉鎖型
次に豊かな空間を演出するためのデザインについて。
階段のスタイルとしては大きくは次のように分類され、それぞれに特徴があります。
(1)直線型
(2)折り返し型
(3)折れ型
(4)らせん型
(5)踊り場利用型(スキップフロアー)
(6)外階段(2階のテラスや勝手口から地上に下りる、屋上に上がる、など)
(動画ではこの順に設計実例をご紹介しています。)
開放的な階段は、吹抜けなどに面していて空間に広がりがあり
「見上げる・見下ろす」ことによって人の気配を感じることもできます。
閉鎖的な階段は、壁に囲まれていることによって落ちついた雰囲気になり、
上下階の場面の転換を強調する役割をもつことができます。
見て楽しい、使って楽しい
踊り場を広くしてそこに機能をもたせるケースもあります。
本棚を設けたり、椅子を置いたり、机を置いたり。
それが発展して踊り場が広い空間になったものが、スキップフロアー型の住宅です。
階段の下は、収納や機械室といった閉じた空間として利用されることが多いのですが、
デザイン的に開放的な空間にしてそこを書斎やワークスペースとして使うこともできます。
踊り場や階段下に、あえて目的を定めない曖昧な場があることも楽しいものです。
季節を感じる花、絵画、小さなオブジェ、椅子、フロアースタンドなどの背景としても最適です。
見て楽しい、使って楽しい階段を創りたいものです。
機能とデザインの両立
階段の構造は、木造、鉄骨造、コンクリート造などが考えられます。
踏み面の仕上げ材料としては木製が多いですが、特殊な実例としては鉄骨プレートに塗装仕上げ、コンクリート仕上げ、漆喰塗りなどもあります。
スロープやはしごも階段が発展したものと考えれば、
機能性やデザイン面で魅力のある演出ができる可能性を秘めています。
参考までに、住宅の階段については建築基準法で各部の寸法が定められています。
踏面150㎜以上、蹴上げ230㎜以下、内寸(有効幅)750㎜以上。
これは最低限の基準ですので、
快適でそして安全を確保するためにはもう少しゆとりのある階段がお薦めです。
林建築設計室・林 隆
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